あまりにも恋愛ワードな日だったので思わず。
サンウソがいちゃいちゃしているお話(笑)
サンジが暴走して思ったより長くなりました(爆)
初っ端から若干ハレンチでスミマセンorz

『ラブレターの日』and....


測量室に置いてあった新聞をなんとなく読んでいたら、今日はラブレターの日だって書いてあった。
ラブレター、か・・・・。
サンジはいつも、「好きだ」とか「クソ愛してる」とか、おれに言葉をくれる。
・・・・まぁ、ＴＰＯというものを考えては欲しいが。
それに比べて、おれはその、なんだ。
恥ずかしくて、言葉でなかなか伝えられない。
サンジは「顔見てりゃわかる」なんて言うが、おれだけ言わないっていうのは、やっぱり良くないと思う。
手紙の内容考えると顔から火が出そうだけど、手紙なら恥ずかしいのは渡す時だけだし、渡してダッシュで逃げれば大丈夫な気がするし・・・。
「書いてみるか・・・？」
「なに描くんだウソップ！？」
「うお！！」
気が付いたら隣でチョッパーが瞳をキラキラさせていた。
「なぁ、ウソップ！今日はなに描くんだ？」
「いや、チョッパー、今日は絵じゃなくて・・・・」
ん？絵？？
「そうだ！」
どうせなら。
「絵も描くか！」
「？？だから何描くんだ・・・？？」
意気込むおれの隣でチョッパーが首を傾げた。



午前中から狭い２階甲板で開催されていた年少３人組によるお絵かき大会が終わったらしく、おやつの後片付けが終わり一服していたところでウソップがキッチンに入って来た。
「ん、なんだ？手伝いなら今はいらねーぞ」
「なぁサンジ、今日が何の日か知ってるか・・・？」
心なしか、落ち着きが無い。
「は？今日・・・？？」
今日は確か、５月２３日・・・・・。
「はっ！おれとした事がすっかり忘れてた！！」
バラティエにいた頃は、レディのお客様にこういうお話をしてアプローチしたもんだ。
「サンジ知ってんのか？」
顔を赤らめるウソップ。
「ああ、知ってるぜ」
それにしても、まさかウソップからアプローチがあるとは。
嬉しすぎて顔がにやける。
「おい、サンジ。なんか気持ちわるいぞ」
「おまえから誘っといて何言ってんだ」
「誘うってなんだ！？」
言いながら近づくと逃げ腰のウソップがジリジリ後退する。
「ってかなんで逃げんだよ」
煙を吐き出しながら、銜えていたタバコを手に持つ。
「いや、おれ様の『何かがやべーセンサー』が・・・」
ガチゴチに固まったウソップの後頭部に空いた方の手を回して。
「とりあえず黙ってろ」
唇を合わせた。
「！！」
触れた瞬間ビクついたが、おとなしく受け入れてる様なので、角度を変えて唇を食んでやったら。
「ぎゃーーー！！」
悲鳴上げて突き飛ばされた。
「ななななな、なんで急にキ、キスするんだよ！？」
真っ赤な顔で抗議をするウソップ。
おれは突然突き飛ばされた不満から、自然と口調が荒くなった。
「あぁ！？テメーが今日は何の日？とか言うからだろーが！！」
その剣幕に押されたのか、ウソップの勢いが弱まる。
「だから、なんでそれでこうなるんだよ・・・」
「はぁ？だって今日は『キスの日』だろ」
「へ！？キスの日！？」
元からまんまるの目がこれでもかってくらい開かれる。
「ああ。５月２３日、キスの日だ」
「あ～・・・、まさかそんなブッキングが起こるとは・・・・」
なにか呟きながらうずくまるウソップ。
「ん？なんだって？？」
「いや、うん。気にしないでくれ・・・・」
「で、さっきから気になっていたんだが」
しゃがんだまま上目使いで首を傾げるウソップ。
クソ可愛いなオイ！！
「その手に持ってる物はなんだ？」
平静を装って右手に持ってる白い紙を指差す。
「あ、ああああの、こ、こ、これはだなぁ・・・！」
あ、また真っ赤になった。
「その、あの、き、今日はだね、サンジ君。『キスの日』でもあるかもしれないが、その、ラ、ラララ、ラ・・・」
「ら？？」
おれが聞き返すと勢い良く立ち上がり。
「『ラブレターの日』だから受け取れっ！！」
言いながらおれの手に押し付けて、あっという間にキッチンから出て行った。
「らぶれたーの、日・・・・」
手の中の封筒を見つめる。
「ラブレター・・・・・」
ウソップからの。
「ラブレター！！」
慌てて開封する。
意外と分厚いので期待しつつ開くと・・・。
「おれ・・・？」
トレイにドリンクを乗せ、タバコを燻らすおれの絵。
「次は・・・」
メリー号のキッチンで料理している後姿の絵。
その次は戦ってる絵。
その次は宴で酒持って笑ってる絵。
そして、サニー号のキッチンで真剣に料理してる絵。
描かれている料理は、今日の昼に作ったものだ。
「アイツ、今日はこれ描いてやがったのか」
ラブレターの中身が絵なんて、アイツらしい。
そう思いながら、最後の一枚を見ると。
「・・・・・・やられた」
短いが、手紙だった。

『サンジへ。
いつもありがとう。
おれもすきだ』

「ヤバイ、クソ嬉しすぎる・・・・！！」
クソ珍しいアイツからの『言葉』。
「こりゃあ、夜にたっぷりお礼しないとな」
ぷかりとハート型の煙を浮かべながら、にやりと笑った。

『ラブレター』のお礼にたくさんの『キス』を。



『ラブレターの日』and『キスの日』

[11回]