サンウソメインのONE PIECE二次創作ブログです。
久しぶりの「今日は何の日?」
しかもこのシリーズ初の日にち遅れでのUP・・・orz
昨日は時間が無かったので書き終わらなかったのすが、ボツにするのもなんなので今日書ききりました。
ぬるいですがサンウソ、サニー号でのお話です。
ちなみに、今日はカニの日(笑)
あいうえお順で、「か」が6番目、「に」が22番目なので本日かにの日だそうですよー。
そしてそして!
拍手ぽちぽちありがとうございます。
マイペースにではありますが、青い実~の続きもきちんと書いておりますのでしばらくお待ちください。
待ってくれている方がいらっしゃるかは不明ですが←ネガティブ(笑)
「夜食持って来たぞ・・・って何やってんだ?」
空きっぱなしのハッチからサンジが展望室に入ると、いくつかの小さな光が揺らめきながら室内を照らしていた。
「おうサンジ!今日の昼に作り過ぎたから、とりあえず形の悪いやつで燃え尽きるまでの時間を検証中だ」
そう言った今夜の見張り番であるウソップの手には、ガラスでできた小鉢に入ったろうそく。
薄暗いのでサンジの目にははっきりと見えないが、どうやら全部形や色が違うらしい事は分かった。
「なんでもいいが、うっかり倒したりするなよ」
「心配ご無用!火が消えるまではこっから動かねー事にしてるから」
ウソップはその手に持っていたろうそくを床に置くと、少し離れた場所のソファに腰掛けてぽんぽんと叩いてみせた。
サンジはしっかりとろうそくは避けているのに、普段と変わりない足取りウソップの元へ歩み寄ると、夜食の入ったバスケットを差し出す。
「ありがたく食え」
「さんきゅーサンジ。おっ!うまほー」
さっそくバスケット開けると中にはひとつひとつ具の違うサンドイッチが入っていて、ウソップは感嘆の声をあげる。
サンジはどれから食べようか迷っているウソップの隣に座ると、水筒に入れて持ってきていたとっておきのアイスティーを注いだ。
「あーうめェ。さすがおれ」
「って、おまえが飲むのかよっ!!」
自画自賛しているサンジにウソップが思わずつっこむ。
「別にいいだろ。おまえの分はコッチだ」
ウソップに渡した水筒の中身は、同じ茶葉から作ったアイスミルクティー砂糖多め。
サンジにとっては甘いが、ウソップの好みにはぴったりのものだ。
「ありがとな」
どれから食べるか決めたらしく、サンドイッチ片手に笑顔で受け取るウソップ。
その水筒を脇に置き、サンドイッチを一口かじる。
「おー!うめェ!!」
「クソあたりまえ」
あたりまえ、とは言いつつも、サンジは嬉しそうに笑う。
が、すぐに顔をしかめた。
「おい」
「ん?なんら、さんひ??」
口いっぱいにサンドイッチを詰め込んでいるウソップは、目をぱちくりさせる。
その姿が愛らしい小動物のように見えてサンジは一瞬和むが、すぐに渋い顔に戻る。
「もっとゆっくり食え」
「・・・・・らって」
「だってじゃねェ」
コックであるサンジは、誰よりも早く起き、誰よりも遅く眠りにつく。
その最後の仕事が見張り番の夜食なのだが、普段は夜食を運んだらそれで終わりになるところを、ウソップが当番の時だけは食べ終わるまで一緒に過ごす。
プライバシーがほぼ皆無な船の上では滅多にない、確実に誰にも邪魔されない二人きりの時間。
サンジにとっては他の何にも代え難い時間なのだが、ウソップにとってはサンジの睡眠時間を削っているようで、嬉しさ半分、申し訳なさ半分といった複雑な時間でもある。
それ故に、ウソップが少しでも早くサンジを寝かせようと急いで食べようとするのだが、少しでも長く一緒にいたいサンジは早食いしようとするウソップを止める。
いつも通りのやり取りにサンジは心の中でため息を吐くと、しょぼんとしてしまったウソップの頭を撫でる。
「寝るよりオマエの傍にいる方が、おれには休息になるんだが?」
「なっ!!・・・・・・あ、あほサンジ」
恥ずかしい事ゆーな。
と、ウソップが顔を真っ赤にしてうつむく。
もぐもぐと、ゆっくりしっかり咀嚼するウソップを見て、サンジは満足げにアイスティーを口に運んだ。
「なぁ、サンジ。おれ、もう食べ終わったんだけど・・・・」
サンドイッチも食べ終わり、二人とも水筒は空っぽになったのに、まだ男部屋に戻ろうとしないサンジに、ウソップは恐る恐る口を開いた。
「まだ離れたくねぇ」
ウソップの腰に回した手に、サンジがぎゅっと力を込める。
「だっ!だめだ!おまえちゃんと寝ろ!!」
「この火が消えるまで。それまでで良いから、ここにいさせてくれよ」
いつになく離れたがらないサンジに、ウソップも少し困る。
「・・・・まだ全然消えねーぞ。もしかしたら朝まで燃えてるやつもあるかもしんねーし」
「じゃあここで仮眠する」
「は!?」
サンジが思い切りウソップにもたれかかった。
「オマエが枕な」
「いや!ここで仮眠するくらいならちゃんとボンクで寝ろよ!」
「火が消えるまではここから動かないんだろ?」
「た、確かにそう言ったけど・・・」
「だったら枕にしても問題ねェだろ」
「そういう問題じゃなくてだな・・・!」
「消えたら起こしてくれよ」
畳み掛けるように話を進めて強引に押し切ると、サンジはウソップの肩に頭を預けて目を閉じた。
「いやだから・・・・って、もう寝てるし!」
寝息をたてるサンジに小さな声でツッコミを入れるウソップ。
睡眠時間が限られているせいか、サンジの寝つきは異様に良い。
知っているし何度も見ているが、それでも毎回感心せずにはいられない。
ゆらゆら揺れる温かい光に照らされて眠るサンジを見て、ウソップは諦め混じりに、でも優しく微笑む。
「おやすみ、サンジ」
小さく呟くと、視線を暗い海に向けた。
視界の端には、不規則に揺れるオレンジの光。
少しでも長く燃えていたら良い。
「おれだって、ほんとは一緒にいたかったし」
サンジには言えないけど、と、心の中で付け足した。
『キャンドルナイト』
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